大磯エネシフトとは、原子力発電に依存しない社会の創造を目指し、自然エネルギーによる発電事業を進める大磯町有志による一般社団法人です。理事・正会員・賛助会員により組織され、発電事業を行うおおいそ電力合同会社の運営を行います。
また、他の地域での市民発電所に関わる方々やその設立準備をされている方々との情報交換を積極的に行います。当会における情報をオープンにし、各地での市民発電事業の展開を推進します。
‐事業内容-
「一般社団法人 大磯エネシフ ト」設立
2013年11月17日
2011年3月11日の東日本大震災における東京電力福島第1原発の事故は、原発の「安全神話」を完全につき崩し、原発が人間社会や地球環境と相容れない危険な存在であることを明らかにしました。
また、原発停止後の電力需給の推移をみると、原子力発電に依存しなくてもこれからの日本に必要な電力は充分まかなえることが明白です。
私たちの生活はこれからも電力を必要としますが、将来に向けていま大切なのは地球環境との調和をはかり、安全かつ安心な方法での安定的な電力確保に取り組むことです。そのためには原子力に依存するエネルギーから、自然(太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなど)を活用したエネルギーへの転換が必要不可欠ではないでしょうか。
今、自然エネルギー中心の持続可能な社会をめざす取り組みが世界に広がっています。日本でも2012年7月に「電力買い取り制度」が実現したことにより、自然エネルギー普及事業への一般市民や企業・自治体の参加が加速しています。
私たち大磯町の有志は、各地の取り組みに学びつつ、海と山、丘陵や農地など自然に恵まれ、また湘南の太陽の惜しみない陽光に抱かれたこの大磯の地域性を生かした自然エネルギー普及事業を立ち上げる決意を固めました。
地域の有志の方々と協力して発電事業を進めると同時に、自然エネルギーのさらなる研究・普及活動に楽しみながら取り組みます。まず第一歩として太陽光発電モデル事業を立ち上げ、皆様の様々な協力・協働をいただきながら正しい情報を共有し、今何をすべきなのかを共に考え、行動していきたいと思っています。
この取り組みは脱原発のみにとどまるものではありません。これまでの大量生産・大量消費型社会から、新しい経済と社会システムへの転換を推進し、地域社会の自立的発展につながるという将来展望を胸の奥に抱いています。
原発被災者の現状に心を寄せながら、将来を展望し、共に手を携え歩み始めましょう。
私たちは鳥や花々と共棲し、この地球上の生きとし生けるものと大自然の恵みを分かち合えるエネルギーシステムによって日々を暮したいと願います。
一般社団法人「大磯エネシフト」設立時社員
岡部幸江(理事長) 石川 旺(副理事長) 伊勢田徹 小田志保 九鬼とも子
佐藤勝栄 田中洋子 野尻善章 舩橋晴俊 山村ゆみ子 渡辺順子
8月15日__
日本の歴史に深く刻まれ、忘れることのできない、忘れてはならないこの日に、
当会の理事であり私たちが敬愛してやまなかった舩橋晴俊さんが旅立たれました。
もっとたくさんお話を伺いたかった。もっと教えていただきたかった。
残るのは後悔ばかりですが、今はただご冥福をお祈りするのみです。
舩橋さんは法政大学社会学部教授、日本学術会議連携会員として重責を担い、
環境社会学者としてつねに現場に立ち、理想を語るだけでなく自ら行動される方でした。
また地元大磯の郷土を愛し、自然や景観を守る住民運動にも積極的で、
3・11以降はエネルギーに関する学習会を続ける傍ら、当会の設立にも深くかかわり、理論、実践の両面で力強いリーダーシップを発揮してくださいました。
2013年12月一般社団法人「大磯エネシフト」設立総会で乾杯の挨拶に立った折に
「この一歩は何物にも代えがたい喜びです」と満面の笑みで盃を高く掲げていらした姿が、昨日のことのように思い出されます。
ご自身の地元で成功モデルを作って他の地域に広げていけば、日本社会の質的変革の一歩になると考えておられ、熱の入った取り組みでメンバーを鼓舞・激励してくださったことは忘れられません。
「先生」と呼ばれることが多かったと思いますが、エネシフトでは自分も地域住民の一人として参加しているのだから「舩橋さん」と呼んでほしいと仰るなど優しく気取りのない高潔な人柄で、皆から信頼され慕われていました。
2013年4月に発足した原子力市民委員会の座長に就任し多忙になられた後も法政大学大学院サステイナビリティ研究所所長として、各地で市民電力をめざす人たちが情報交換、学べる場をつくり、事業化支援にも熱心に取り組まれていました。
日本が原子力に依存せず、持続可能な社会へ舵を切るために欠くことのできない方と、舩橋さんを知る誰もがそう信じていたことは間違いありません。
「自然エネルギーは地域のもの」
舩橋さんが講演の演題等によく用いられていたこの言葉の理念は、
これからの日本に欠かせないものと思っていただけに、本当に悲しく残念でなりません。
でもだからこそ、この理念を大切にした舩橋さんの遺志を継ぐために、
今、私たちができることに全力をつくしたいと、あらためて感じています。
ともに過ごした日々に心からの感謝をこめて
2014年8月
一般社団法人大磯エネシフト
理事長 岡部幸江 他理事一同